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令和観②

 平成の天皇陛下(明仁陛下)が退位され(4/30)、皇太子徳仁親王殿下が第126代天皇に即位され(5/1)るとともに、新元号が令和に改元されて1ヵ月が経過したわけですが、殺傷事件が相次いで発生し、社会に大きな衝撃をもたらしています。

  5/28、川崎市多摩区で小学校の児童18人とその保護者2人の計20名が、刃物所持の男(51歳)に次々と刺され、11歳の女児と保護者の男性が死亡した事件です。男は犯行直後、自分の首を切って自殺を図るという何ともやりきれない痛ましい事件でした。犯人はすでに死亡しており、事件の全貌解明は難しくなってしまうのですが、やはりここに至る動機は一体何であったのかを究明することは是が非でも必要となりましょう。そして、何度となく同じような事件が起こらないようにすることが、社会全体の責任でもあります。

 いろいろな報道がなされています。また、諸角度からのコメントが発せられています。ことが事だけに、そう簡単には語れないのが現状といえます。引きこもりは、いろいろな要素・原因によって引き起こされる中での一つのプロセスであるとの実感があります。引きこもりを何とかしようとするあまり、周りの原因に目が向こうとしません。今後の対応に一考を加えていく必要があります。

 犯人の側面からすれば、「攻撃的、激怒性、相当なエネルギーを温存した上での激高性、通り魔殺人、近所付き合いもなく、挨拶もなく、そうかといっておとなしい、言動からして強い殺意、計画性と準備、入念な下見、引きこもり状態、うらみやつらみ、嫉妬、孤立や孤独、短絡的、自暴自棄、テロ行為ではない犯行、死を覚悟した大量殺人、追い込まれた単独犯、無差別殺人、刃物所持、社会への挑戦と見せしめ、8050問題、発達上や人格形成上のゆがみ、パーソナリティの問題、反社会的行為・・・」等々、こういうところの背後にあるものは何なのかを一つひとつ解きほぐし、動機を解明していくことが大事になりましょう。

 この種の事件対策は、平成13年以降、大阪・秋葉原・新潟などで発生した事件の教訓として、都度採られてきたものの、今回は想定外といわれていますが、果たしてそうでしょうか。「通学路の警備体制、登下校時の安全確保、集団登校のパトロール強化、通学路や集団の場所の四角確認、防犯カメラの設置、不審者情報の共有、人・物・お金の有効活用、危機意識の涵養、こころのケア、心理的フォロー・・・」等々、安全点検として考えられてきました。特に、バス停留所で子どもををどう守っていくかについては、子どもの列の前後に先生や警備員などを必ず配置し、前後左右への警戒を怠らないことが大切であり、過去の悲惨な教訓から、この警備・警戒態勢が導入されなかった点には驚くばかりです。また、これも過去からの教訓として考えてしかるべきだった点は、子どもたちがバス停から乗車する時間帯だけでも、近くの交番から見守り警戒をお願いすることや、パトカーを配置して警戒してもらうことが考えられなかったことです。この種の警戒態勢を考えることは、しげく当然と言わざるを得ないわけです。もっともっと、警察を含めた関係機関の真の連携を探り、実行していただきたくことが必須といえます。

 さて、今後どのような支援が必要になりましょうか。確固とした再発防止策の再検討とその実行が急務です。犯行は目の前からだけではなく、左右からも、また今回のように背後からの犯行に備えなくてはなりません。これで命を落とすことになるわけです。警察官が立っているだけでも、犯罪は防止できるのです。パトカーが通りすぎることで、犯罪が未然に抑止できるのです。簡単なようで、見逃してしまいます。今回もこのことさえも考えられなかったといえます。防犯や犯罪抑止は、地域社会全体で、こころのケア、声かけ運動、地域ボランティア活動等々、多々考えられますが、過去にないレアなケースなどと考えずに、決定的に盲点・四角を突かれたと反省すべきでしょう。

 最後に、今回の事件で残念なことは、犯人へとのかかわりを得るチャンスを行政が見逃してしまったのではないかということです。親族が十数回も行政に相談をしているのです。それは、犯人の引きこもりを懸念した上での相談であったようですが、行政は一度も彼に会っていなかったことは問題ではなかったかということです。もし彼に会って引きこもりのことではなく、「高齢であるおじさん、おばさんの今後のことを一緒に考えていただけなせんか・・・」「行政としていろいろなサービスで支援していきたいと思うのですか・・・」という視点から、会うチャンスをなぜ作らなかったかということも申し上げておきたいと思います。引きこもりの人への対応が全くなされていなかったと思うのです。引きこもりには、多様なニーズがあり、対応も様々であることは申すまでもありませんが、行政の知恵と勇断が欲しいものです。何十年もの長期間、恨みやつらみで頭が錯綜としていても(言動が過激であっても)、他人に危害を加えなかったわけですが、この時期にきて引きこもりのことを言われたことが引き金になって一気に狂気化してしまったのでしょう。彼の激高性を考慮して、家庭訪問する時は、行政のみではなく、保健福祉センター職員も含め、また自宅付近には警察の生活安全課の刑事が様子見するとか、やはり関係機関の連携や知恵が極めて足りないと思うわけです。彼に優しい言葉をかけながら、おじさんとおばさんの将来を一緒に案じ、考えることで福祉・医療サービスを展開するということを大前提に対応していけば、激高することもなく、今後、若干でも関係性が維持できたと信じたいと思います。人と関わることには、不安とリスクがつきものです。これを乗り越えないと、人へのケアや支援はできないということを今回は、断言しておきたいと思います。次から次へと火だるまのごとく発生する事件・事故、何とかしたい・・・とは思いますが、まずは本人自身の意識の涵養と身近にいる家族の支援に注視したいと思います。 

                     YKカウンセリング&心理相談室

                         代表  山田 幸一

 

 

 

 

 

 

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